雑貨店「UNREAL」で起こる、日常の裂け目
高校生の宗哉〈ムネチカ〉(小西詠斗さん)がカフェ勤務を終えて店主・ヤギオ(染谷俊之さん)にマッサージをしてもらう、あの静かなシーン。
それが「雑貨の物語」の前触れだったとわかると、途端に空気がひんやり変わる。
前店主・黒澤羊時(細貝圭さん)が現われ、宗哉の名前を知っているというあの一言。
その瞬間、「この店はただの雑貨店じゃない」という予感が身体の奥に響いた。
“ヘイズ夫人の手”が映す人の欲と運命
市議会議員・赤坂(加藤大騎さん)が訪れ、ネクタイピン「ヘイズ夫人の手」を手にした場面。
願いを叶えるというその小さなアイテムに焦るように飛びつく姿が、怖かった。
持ち主を魅力的にし、指の数だけ願いを叶えてくれる雑貨――その仕組みを知ったとき、「願い」って果たして喜びだけなのか、問い直したくなった。
赤坂がそれを手にした瞬間から、まるで螺旋に落ちるような展開が始まって、この店が映し出す“代償”の重みを思い知らされた。
信頼と疑念、その狭間で揺れる二人
ヤギオと宗哉の距離感が、この第2話でより鮮明になった。
宗哉が雑貨店を辞そうとしたあのタイミングで、店主が赤坂を店へ連れ込むところ。
店主としての顔と、宗哉への気遣い。どちらも同居してるヤギオの佇まいが、静かな怖さとして残った。
「信じていいのか」「信じてほしいのか」その微妙なラインを漂う二人の姿が、観ているこちらの心を揺さぶった。
雑貨の“声なき声”が届くとき
このドラマでは、雑貨が語るわけじゃない。でも、雑貨を手にした人の願い、恐れ、記憶が滲み出る。
第2話では、雑貨を通して赤坂や羊時、宗哉・ヤギオにも“何か”が宿り始めてて。
あのネクタイピンが輝いた瞬間、その裏にある影が映った。
視界をそっと撫でるような恐怖で、「この雑貨、ちょっと触れちゃいけなかったかもしれない」って思わせる演出が秀逸だった。
第2話を観終わったあと、胸の奥に「願うって何だろう」、「代償っていつ突然来るの?」というざわつきが残った。
この「UNREAL」の世界は、美しくも冷たい。けれど、次の雑貨、次の来客、次の歯車がどう回るか、静かに、でも確実に気になってしまう。


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