「UNREAL-不条理雑貨店-」第3話の感想|“願い”と“代償”がひそやかに交錯する瞬間に【ネタバレなし】

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お土産と不穏な空気のあいだ

宗哉〈ムネチカ〉(小西詠斗さん)が、夏合宿のお土産を抱えて帰るシーン。友人・水門(新正俊さん)との明るいやりとりから一転、ヤギオ(染谷俊之さん)に出店を反対されたカフェの出店の件が気になっているという描写が胸の中にじんわり残った。
お土産=友好の証なのに、そこに影がさす感じ。雑貨店「UNREAL」に入る前から、何かが壊れそうな気配が漂っていた。

雑貨店の扉を開いた後の“気づき”

「UNREAL」に訪れた宗哉が目にした、倒れているヤギオの姿。目を覚ました後の冷たい態度。宗哉が怒って出ていってしまう展開が、ただの喧嘩では終わらない喉元の切なさを感じさせた。
そして、大学生の根岸(本島純政さん)が店に入って手にした「フラウロスの牙」という万年筆。書いた願い事が叶うというそれに、彼が“写真がバズる”と書いた瞬間に反応が集まるSNS投稿。荒ぶる因果の糸に、思わず背筋が冷たくなった。

願いと代償、その裏側にあるもの

“願いが叶う”という骨董品の魔性。欲望の先にあるものを、この回は静かに、でも確実に提示していた。根岸の喜びが一気に転じる予感。宗哉とヤギオの亀裂に、雑貨店という場が持つ“封印の意味”が重なって見えた。
「書く」ことと「選ぶ」ことの重さ。小さなモノが大きな運命を動かす――その怖さを、この第3話で痛感した。

友情・師弟・雑貨店、交差する3つの線

宗哉とヤギオの関係性。店主とカフェ店員という立ち位置以上の何か。水門という友の存在。そして根岸という第三者。すべてが雑貨店を中心にして少しずつ狂い出していく。
雑貨店「UNREAL」が見せるのは、ただの“奇妙なモノ”ではなく、人の内側に住む“影”そのものだった。エピソードを重ねるごとに、雑貨店の扉の向こう側が気になって仕方ない。

実はラスト、あの“万年筆”が残した静かな傷跡に、思わず息を呑んでしまった。次の回では“どちら側”に立つかを問いかけられているようで、心がざわついて眠れなかった。もう雑貨店の窓のガラスの向こうに、自分の願いも映っているような気がして。

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