骨董品が静かに並ぶ「UNREAL」という場所に、最初から不思議な空気が漂っていた。
ヤギオ(染谷俊之さん)の風変わりな佇まいと、ジャージ姿という意外性のギャップに、引き込まれるような違和感を覚えた。
ムネチカ(小西詠斗さん)がカフェで働きながらヤギオの世話を焼く関係性も、ただの上下関係じゃなく“何かを背負っている”気配があって、心をときほぐしながらも締めつけられる感じがする。
客と雑貨、交錯する運命
三浦(石黒英雄さん)が悩みを抱えて「UNREAL」を訪れる展開。
その雑貨店にある「悪食の天秤」という骨董品に、彼が惹かれていく過程には、強い引力を感じた。
ただ品物を売るのではなく、そこには守るべき“注意事項”があるという設定。
願いと引き換えに何かを犠牲にするかもしれないという緊張感が、物語を一層もたげる。
願いを叶えるもの、その影
ヤギオ自身が“ある願い”を抱えているという台詞が出てきて、「あ、この店主も単なる語り手じゃないな」と思った。
骨董品に潜む“ルール破りの代償”という構図。
願いを叶える力と、その制約。
このふたつの交錯が、このドラマの根幹になっていきそうな予感。
第1話だけで、“幻想と日常の狭間”を行き来するような感覚に捕まった。
見たようで見えていないものが、ちらっと影を見せる。
そして、願いという言葉が持つ重さを、ゆるやかにでも確実に感じさせられた。
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