「橘くん抱いてください！」第3話の感想｜偽物の甘さと本心の音

飲み会帰り、後輩・柿崎さん（井本彩花さん）の言葉に揺れるすみれ（久保乃々花さん）。
「橘（柊太朗くん）が迷惑している」という噂に、自分たちの関係が偽物だと痛みを感じる瞬間が刺さった。

偽物の恋、心の棘

自宅で再び橘と唇を重ねてしまうあの場面が、まさに偽と真を揺さぶる境界線だった。
温もりに甘えたい――その気持ちと、“フリ”でいる覚悟の板挟み。
その揺らぎの描写が、とてもリアルだった。

看病と意外な横顔

風邪で寝込んだ橘を看病するすみれ。
そこに現れた橘の新しい一面が、静かに心をかき乱した。
普段見せない優しさや脆さが垣間見えるたびに、すみれの中の感情の地盤が少しずつ揺らぐ。

この第3話では、偽であろう関係の中にひそむ本気の片鱗が、ふとした仕草や目線で匂い立っていた。
演技だったはずの距離が、知らず知らず近づいていく、その予感が胸を締めつけた夜だった。