「そこから先は地獄」第3話の感想|“愛と嘘”の境界線が崩れていく夜【ネタバレなし】

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ベランダの視線がすべてを変えた

涼(豊田裕大さん)が救急車で運ばれていくあの冒頭。
マンションのベランダからそれを冷たく見下ろす凪子(山崎紘菜さん)の姿が、静かにゾッとするほど怖かった。
莉沙(井桁弘恵さん)の震える表情が、まるで“現実がずれる瞬間”を見ているようで、息が止まる。
このドラマの恐ろしさって、事件よりも“人の無表情”にある気がする。
あの一瞬の視線の交差だけで、世界がひっくり返ったみたいだった。

夫婦という名の仮面

莉沙が夫・高久(落合モトキさん)の不倫を疑うくだりは、現実的すぎて刺さる。
証拠はあるけど顔が映ってない。
“わかってるけど決定的じゃない”という曖昧さが、余計に心を揺らす。
不倫を疑う妻と、必死に取り繕う夫。
それぞれの「バレたくない」「確かめたい」という駆け引きが、笑えないほどリアル。
レストランのシーンのぎこちなさは、もはやコメディのようで悲しかった。

モヤモヤの出口を探して

後輩・尚美(小西桜子さん)が放った「自分も浮気すればいい」という言葉が、あまりに軽くて重い。
莉沙が「いないよ、そんな人」と言いながら、心の奥で涼の顔を思い浮かべる瞬間。
“誰かに寄りかかりたい”という弱さが見えて、人間らしくて苦しい。
でも、涼のジムは閉ざされたまま。
“関係を取り戻すために動く人”と、“傷を抱えて動けなくなる人”が対照的で、どちらにも共感してしまう。

不倫の裏に潜むもうひとつの地獄

高久と奏子(奈月セナさん)が同じマンションに住んでいたという偶然。
笑いながら「今度奥さん見に行こっかなー?」と挑発する奏子の無邪気さが、逆にゾッとする。
その“軽さ”が、地獄の入口みたいに感じた。
そして、ついに莉沙と凪子が対峙する予感。
この2人が交わる瞬間が、物語を決定的に変える気がしてならない。
「愛」と「復讐」と「罪悪感」が絡み合って、見ている側まで息が詰まる回だった。

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