碇の過去と、礼子の想い
碇拓真(佐藤隆太さん)が38年前の飛行機事故を今でも抱えていると知った有馬礼子(山下美月さん)。
その真摯なまなざしがとても印象的だった。
「何かできることがあるのでは」と思うその気持ちは、ただの同情じゃなく、同じ警察官としての誇りのようにも見えた。
でも、日下部峻(加藤シゲアキさん)が「そこまでする必要はない」と静かに制する場面で、チームの中にある“温度差”がリアルに浮き上がってきた。
職務と情の間で揺れる人間たちの描写に、ぐっときた。
爆発事件が呼ぶ波紋
潮風臨海公園でのドローン爆発。
水上の静けさを破る音とともに、空気が一変するあの瞬間、ただの事件じゃ終わらない予感がした。
湾岸署に追い返される碇たちの悔しさも伝わってきて、組織同士の軋轢までもがリアル。
でも碇が「まだヤマになってない」と言って動くところ、まさに彼の信念が光ってた。
“事件”を追うだけじゃなく、“海を知る者の勘”を信じる姿が頼もしかった。
平穏から地獄へ、一瞬のシージャック
藤沢充(中尾明慶さん)が妻・麻美(清水葉月さん)と息子・陸(加藤叶和さん)を署に招いていたシーン。
そのほのぼのした時間が、まさかあんな形で崩れるなんて。
上原修也(小須田康人さん)の登場と同時に、空気が凍った。
ナイフが光った瞬間、心臓が止まりそうになった。
“あかつき”に閉じ込められる家族。海の上だからこそ逃げられない恐怖がリアルすぎて、息をするのも忘れた。
この回の緊迫感、間違いなくシリーズ屈指だった。
それでも海は静かに流れている
事件が起きても、潮の音は変わらない。
だからこそ、この物語は“静けさの中に潜む危機”を描くのが上手い。
碇の過去、礼子の想い、藤沢の家族――それぞれの人間ドラマが交錯して、ひとつの“海の物語”として深く響いた。
見終わったあと、画面の向こうの波がやけに現実的に感じて、少しだけ胸が締めつけられた。
この第4話は、ただの事件じゃなく、“人間の痛み”が浮かび上がった回だった。


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