「おいしい離婚届けます」第3話の感想|整いすぎた“決定的写真”の裏にある闇

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写真が語るのは“証拠”か“嘘”か

彩香(山谷花純さん)が持ってきたホテルへの腕組み写真。
初(前田公輝さん)はそのあまりに“完璧な構図”に違和感を覚える。
被写体としてきれいに収まりすぎていて、そこに“仕掛けの気配”を感じてしまった。
証拠として成立するものほど、裏を探したくなる。その揺らぎにハラハラした。

彩香の語り口に潜むずれ

話し方のぎこちなさ、小さな言葉の引っかかり。
“被害者”の立ち位置に立っていながら、どこか違和感を抱かせるその空白。
初はそこを丁寧に拾いながら、探偵の海(水沢林太郎さん)とともに真実の輪郭を紡いでいく。
まさに、“見せたいもの”と“見せられたもの”の間で揺れる回だった。

突然現れた少女が崩すバランス

初と暮らす家にやってきた謎の少女。
初を見るなり「お父さん!」と呼びかけられるその瞬間、空気が変わる。
海の表情の変化、小さな動き、沈黙の時間が輪郭を刻む。
その少女の登場で、これまで築かれていた“依頼と探偵と弁護士”の枠組みが揺らぎ出す。

問いかけられる“届ける”という行為

このドラマのタイトルにある「届けます」という言葉。
第3話では、ただ別れを後押しすることではなく、“真実をどう渡すか”が問われるように思えた。
証拠と感情、事実と思い、そのあいだを慎重に手渡す所作に胸が震えた。
“届ける”ことは、手放すことでもあるのだと、あらためて実感させられる夜だった。

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