今回は、世莉(川津明日香さん)と真尋(樋口幸平さん)の距離が、ふとした言葉と仕草で一気に縮まった回だった。
「愛し方がわからない」と言っていた真尋が、浴衣デートというシチュエーションで“その壁”を少し超えようとするのを見て、胸がぎゅっとなった。
そして、いつの間にかその夜が「ルールの向こう側」を示唆していたことに気づいたとき、ぞわっとした。
浴衣デートという舞台の甘くて切ない空気
真尋が世莉を「うち来る?」と誘った瞬間に、日常が少しだけ特別になった感じ。
あの浴衣姿の真尋を見た世莉のときめき…それは「友達以上恋人未満」の範疇を超えた“予感”だった。
そのワクワクと同時に、「この関係、どうなるんだろう」という不安も生まれていた。
過去の傷が生んだ“不器用な優しさ”が響いた
世莉の辛い過去を知った真尋が、自分も杏香(石川恋さん)との関係で傷ついてしまったというトラウマを抱えていた。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
その背景があるから真尋の「答えを出す」という宣言に、本気度が見えた。
自分の気持ちとも戦っているのだという“影”が、優しさとともに漂っていた。
「ルール違反」というキーワードが胸に刺さる
このシリーズは“恋人未満”という枠組みと“一定のルール”のもとに進んでいるけれど、今回その枠をほんの少し越えた瞬間があった。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
「ルール違反」という言葉に込められた甘美な緊張。
それは、守るべき線を越えたかもしれないというドキドキと、関係が急にリアルになってしまう怖さとが交じっていた。
今回、このドラマが「軽やかなラブコメ」ではなく「揺れる心の駆け引き」なんだと肌で感じた。
すみれと橘のような“同じ関係”でも差が出るように、世莉と真尋も“恋人未満”の中で、じわじわと“それ以上”へ動き出している。
あの夜の帰り道が、二人の関係のターニングポイントに思えて仕方ない。
演出も自然で、浴衣や夜の灯りや沈黙の間合いが全部効いていた。
「恋フレ」というタイトルの意味が、今回一歩深くなった気がする。
この回の余韻は、きっとしばらく残る。


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