取調室の重さが、今回もうっすらと肌に感じられた。
冒頭から「国家プロジェクト」「幹部」「人気キャスターの実父が被害者」というワードが瞬時に緊張感を放っていて、いつもの“キントリ流”緊迫がきちんと仕込まれていた。
それでいて、今まで以上に“夫婦の闇”や“嘘と隠蔽”が蠢いていて、背後にある人間関係の深さがチラリと見えてぞくぞくした。
供述の食い違いが生む不信の連鎖
夫・倉持真人さん(山本耕史さん)と妻・利津子さん(若村麻由美さん)の間に飛び出した「私が殺した」との証言には鳥肌が立った。
あれを聞いた瞬間、「この壁の向こうに何が隠れてるの?」って思った。
しかもその後、倉持さんの驚きと戸惑いが一瞬、ほんの一瞬だけ浮かぶのが印象的で。
“知っているふり”と“知らないふり”の境界線を見ているようなあの表情に、胸の奥がざわついた。
取調室の心理戦、見応えあり
今回も、天海祐希さん演じる真壁有希子の動きが鋭かった。
“同時聴取”という設定がまた秀逸で、二人を同じ場に置くことで生まれる緊張、そこに垣間見える嘘の隙間。
彼女が「ある提案」を被疑者に出すシーンがあって、そこから先の空気が一気に変わった気がする。
このドラマでしかプライバシーの壁が“見える”ような瞬間があるんだよね。
ふとした所に漂う“真相の影”
夜遅くなっても事件の輪郭はまだぼんやりしていて、その分「犯人はどこ?」「何が理由?」という問いが深まる。
“国家プロジェクト”“幹部”“キャスターの父”と、スケールが大きい設定の中で、家庭の事情・日常の嘘が絡んでくるギャップがいい。
そしてまた、今回見つかった“新証拠”と“動機の断片”が、次の波の布石にしか思えなくて。
確かにこの1話で結果が出たわけじゃないけど、深い穴が掘られた感覚があった。
あの場面の真壁の目の動きとか、倉持さんの一瞬の表情とか、忘れられない。
1話からも充分インパクトあったけど、2話でさらに“取調という名の舞台”の暗さを見せられた感じがする。
嫌いじゃない、この重さ。
この先どう転んでも、「ただの取り調べドラマ」では終わらない予感がする。


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