「緊急取調室」第1話の感想|静かなる狂気を孕んだ始まりに震えた夜

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最初の事件から、あの“取調べ”の場面、倉持真人(山本耕史くん)の言葉の刃のような挑発――すべてが後を引く。
これほどまでに「誰も信じられない」と思わせるとは。

うわ…と思わされた冒頭の連続殺人

最初のペンチ撲殺事件の描写が、あまりにも静かで、でも重たくて。
舞台裏には権力、再開発、反対運動、利害関係者、複雑すぎる背景が匂い立つ。
被害者も関係者も、裏表がありそうで、誰が善で誰が悪かが最初から曖昧。
そして冒頭だけで「このドラマ、簡単には見せてくれない」と感じた。

有希子(天海祐希さん)と梶山(田中哲司さん)が、企業や関係者に慎重に話を引き出していく流れが、じわじわと緊張感を生む。
あの間の取り方がほんとに巧みで、「取調べもの」ってこういうことか…と唸らされた。

倉持真人の存在感と“被害者にも疑念を”

真人くんがキャスターとして世論をあおるあたりから、彼の姿がだんだん“被害者役”としてだけは済まなくなっていくのが怖かった。
番組の中であんなに強く主張していた人が、まさか事件の中心近くにいるとは。
しかも凶器が同じペンチって…。
被害者という枠を軽やかに逸脱しそうなあの危うさ、震えた。

その上、有希子が利津子(若村麻由美さん)の元へ行ったときの“ちょっとした言動”にひっかかるっていう演出。
私も「えっ、今の……」と振り返りたくなる瞬間があって、伏線か?と思ってしまった。

キントリ再集結、その空気の重さ

キントリの面々が再集結する場面、思わず胸が締め付けられた。
以前別々の場所へ移っていたメンバーたちが、あの事件を前に戻ってくる…その「帰ってくる理由」が、第1話ですでに物語の太い芯になってる感じがする。
見慣れたいつもの顔ぶれなのに、すでにそれぞれどこか傷を抱えているような顔をしていて。

有希子の芯の強さ、梶山の調整力、春夫(小日向文世さん)や菱本(でんでんさん)の静かな霞のような存在感。
彼らが本格的に動き出すのは、まだこれからなのに、すでにその“影”に震える。

観た人ならきっと「あの場面」が頭から離れないって思うはず。
セリフひとつ、目線ひとつが重くて、簡単には読み切れない。
第1話だけで引き込まれすぎて、「これは最後まで見届けないと…」って覚悟させられた。

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