「介護スナックベルサイユ」第2話の感想|“飲んだら会える”って、胸に響いた夜に【ネタバレなし】

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期待と不信の交差点

福祉タクシー運転手として働くことになった 神代大輝(杢代和人さん)。
ママ・ 上杉まりえ(宮崎美子さん)が切り盛りする“介護スナック・ベルサイユ”で、初めて現場に立った彼が感じたのは、確かな温かさの奥にある“何かがおかしい”という気配。
“人生で一度だけ、飲めば会いたかった人に会える魔法のワイン”という設定が、現実と幻想の境目をゆるがせにしていて、それに戸惑う大輝くんの表情が印象的だった。
「なんで俺、ここにいるんだろう」って、彼の胸中がそのまま画面に映っていた。

来店客の物語が胸を打つ

社長・ 本多伸夫(柄本明さん)と、記者・ 飯田園子(かとうかず子さん)が「会いたい人」に導かれてこのスナックにやってくる…。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
それぞれの過去、そして彼らの“会いたい相手”という願いが、魔法のワインを媒介に浮かび上がってくる。
特に本多さんがワインを飲んだあとに会った“会ったこともない若い女性”のシーンには、息を呑んだ。
“会いたい人”が必ずしも近くにいた人ではない、という戯れにも似た残響。
園子さんの“戦場で命を落とした夫”との再会を願う姿も、静かな切なさを帯びていて、涙が滲んだ。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

魔法のワインが映し出す“生と終わり”

このスナックの中では、魔法のワインを飲むという儀式が、希望であり、終章であり。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
“人生の最後に会いたい人”というテーマに、店の空気がどこか神聖で、そして重かった。
その中で大輝くんが感じた「ここは普通じゃない」という違和感が、視聴者としても背筋を伸ばして見てしまう理由。
“この一杯”がもたらすものは、幻か慰めか、あるいは贖いか。
その曖昧な揺らぎが、第2話では特に強く胸に迫った。

記憶と時間が重なる夜

スナックという“日常の延長”に、人生の節目や終末が持ち込まれている。
「高齢者を送り届ける」という大輝くんの日々の仕事が、ここでは「過去と向き合う時間」に変化している。
そのリアルな描写が、ファンタジー色のある魔法のワインと、絶妙に溶け合っていた。
あの“魔法の一口”を前にして、それぞれの物語が動き出す瞬間。
ラストのあの余白が、夜になっても胸から離れなかった。

第2話を見終わったあとは、「あの人は、なぜあのワインを選んだんだろう」と無意識に問いたくなった。
そして、ママ・上杉まりえさんの静かな背中が、これからどんな“奇跡の一杯”を演出するのか、気になって仕方ない…。

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