前科を抱え、人生に振り回されてきた樹(草川拓弥さん)が、更生プログラムの門を叩く場面に胸がざわついた。
そこに集められた6人のうち誰が希望になって、誰が裏切りを運ぶか、第一話からその線引きが揺れていた。
更生プログラムという舞台の冷たさ
制度として用意された“チャンス”に見えるこの場所が、最初から罠めいて見える。
共同生活、セッション、役割分担…どれもが試されているようで、画面の端に漂う不安が消えない。
樹は、この場に心を開かず、自らの距離を保ち続けていた。
その分、視線や呼吸の揺らぎがひとつの言葉より重く伝わってきた。
疑惑の種、盗まれたもの
食材が減っている事実が、不信の硝子を割るように響く。
翔太(吉田健悟さん)が過去の前科とともに“疑われやすさ”を背負っているのも、うまく構図になっていて。
だけど、樹が気になるあの人物の言動が、もっと深い闇を予感させてゾクリとした。
希望と譲れない信念
統晴(佐伯大地さん)の悔恨と反省が、最初からきちんと描かれていたのが効いた。
ただ、プログラムへの希望を信じきっていいのか、誰も白紙ではいられない緊張感が漂う。
樹自身の“曲げない信念”を感じさせる佇まいが、物語の核になる予感がした夜だった。
このドラマ、仮面の下にどれだけの顔が隠れているのか。
第1話で既に、その仮面と表情の揺らぎを何度も見せられた。
光と影の境界線を探るように、これから毎回震えながら見てしまいそう。
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