「地獄は善意で出来ている」第2話の感想|罠にかかった善意が暴き出す“本当の地獄”【ネタバレなし】

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今回のエピソード、冒頭からその静かな不安が胸にひっかかった。
統晴(佐伯大地さん)の死が「溺死による事故」として片づけられそうになる瞬間、画面の端にちらっと映った“両目におびただしい火傷”という描写が、ただの死亡事故ではないことを匂わせていて。
その違和感が、物語に潜む“欺き”というテーマを強く印象づけていた。

共同生活という表の顔と、裏に潜む監視の目

前科者たちが集められた施設という特殊な設定の中で、樹(草川拓弥さん)が何かを感じてしまった瞬間があった。
「このまま続けるか考えなさい」と言われ、みんなが動揺する中で、樹だけが施設に残る選択をしてしまう。
その選択が、“本当にこの場所が安全なのか”という疑問を突きつけていた。
目に見える“プログラム”の魅力と、目に見えない“仕組まれた罠”の間が、ひんやりと広がっていた。

夢愛(井頭愛海さん)の“善意”が引き寄せた再びの危機

夢愛とカイ(山下永玖さん)の関係が一気に動き出したのも、この回の鍵だった。
カイの「一緒に返していかないか」という言葉に揺れる夢愛の姿が痛々しかった。
“善意”から始まろうとした行動が、より大きな“利用される構図”に気づかずに飲み込まれていく構図が、今回でくっきり見えた。
善意って、一歩間違えると“責任”や“裏切り”になるのかもしれない。

カトウ(細田善彦さん)が掌握している世界の冷たさ

そして何より、カトウが電話で「ちゃんとシナリオ通りに進んでいますから――」と報告していたシーン。
その淡々とした声と怪しい笑みが、鳥肌が立つほどに効いていた。
“運営側”の人間が誰を見て、誰を動かしているのか。善意のプログラムの下で、誰が主導権を握っているのか。
その問いが、この第2話でさらに分厚くなった。

この回を観終えたとき、自分の中に引っかかるものが残った。
あの施設の夜やあのラジオ体操のような朝の描写とは違う“静けさに隠れた恐怖”。
物理的な衝撃ではなかったけど、精神的にじわじわと刻まれる“欺瞞”が、すごく印象的だった。

まだまだ真実は霧の中だけど、この第2話で「善意って簡単に信じてはいけないかも」と思わせられた。
それがこのドラマの怖さでもあり、魅力でもあるんだな。
演出も光と影のコントラストがしっかりしていて、気づくと視線が画面に釘付けになってた。
あの火傷の傷痕や、カトウの電話の声、夢愛の迷い…どれも忘れられない。

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