「いつか、無重力の宙で」第22回の感想|止まった時間をもう一度動かすような優しさ【ネタバレなし】

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この回、静かなのに胸の奥がずっと震えてた。
飛鳥(木竜麻生さん)が、ひかり(森田望智さん)・周(片山友希さん)・晴子(伊藤万理華さん)と積み上げてきた人工衛星開発。
それが“あるきっかけ”で止まってしまう瞬間に、現実の重さがずしりとのしかかる。

天文部がバラバラになったあの高校時代の夏と重なる描写が切なくて、まるで同じ時間を二度生きているよう。
彗(奥平大兼さん)が飛鳥にかける言葉も、どこか遠くで届くような静けさがあって、心にじんと染みた。
それでも飛鳥の心は動かない。その“動けなさ”を丁寧に描いていて、見ている側まで息を潜めてしまう。

翌日の焼きそばのシーン。
ここ、何気ない食卓なのに、涙腺が刺激された。
ひかりのおすすめの食べ方を真似してみることで、ほんの少し、過去と今がつながる。
“食べる”という行為が、記憶と絆を結び直すようなやさしい時間になっていた。

この第22回は、大きな事件が起きるわけじゃない。
でも、止まった関係や心が、少しずつ動き出す予感に満ちている。
無重力のように漂う言葉や沈黙の中に、重さと希望の両方がある。
“前に進む”って、たぶんこういうことなんだなと思わされた回だった。

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