今回は、加菜子(与田祐希さん)の中で抑えきれなくなった何かがはじけた回だった。
最初は「たまたま動画がバズった」だけだったはずなのに、その快感が一気に彼女の世界を変えていく。
「タパ子」と名乗って過激な告発系Y-Tuberとして動き出す姿には、背筋がぞくっとしながら心が痛んだ。
“バズ”という魔法が呪いになる瞬間
SNSの“いいね”や“フォロワー数”という数字の快感を知った加菜子が、その後の衝動に突き動かされる様子がリアルだった。
一歩踏み込んだ告発動画、視聴者の反応、そして金のための登録者数100万人という目標。
表面上は“正義の告発”として映るけれど、その背後で確実に何かが壊れていく音が聞こえていた。
「これはもうバズのためのバズだ」という恐怖が、知らずのうちに自分の中にも芽生えた。
過去の傷が今の行動を支えていた
渡辺(櫻井海音さん)に問われた「なぜそこまで?」という問いに、加菜子が明かした元夫からのDVと借金。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
その瞬間、「バズってる風景」がただのステイタスじゃなくて、救いを求める叫びでもあったことに気づいた。
彼女の過去が、この“バズるため”という行動の底に静かに横たわっていて、その重みが画面に滲んでいた。
告発された側、その娘の登場が投げかける問い
飲酒ひき逃げ犯の娘(星乃夢奈さん)が、加菜子のバイト先に突然現れる場面。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
「偶然か、それとも必然か」という問いが頭をぐるぐる回った。
加菜子の行為が誰のための正義か、誰を傷つけているか。
そして“晒す”という行為が、果たして本当に救いになっているのか。
その刃が自分にも向きうるのではないかという気配が、胸に刺さった。
今回、加菜子の変化のスピードがすごかった。
軽い気持ちで“バズる”世界に足を踏み込んだはずが、あっという間に深い闇の中へ飛び込んでしまった感覚があって。
ラストの場面で、彼女の表情に浮かんだ“覚悟”とも“焦り”とも言えるその何かが、忘れられない。
このドラマは「バズる」という言葉の裏にある、承認欲求・過去の傷・他人の痛みという複雑な感情を丁寧に掬い取っている。
第2話で、その構図が一気に輪郭を得たように思う。
軽く始めてしまった告発が、どこまで彼女を変えてしまうのか。
見終えた後、自分も「いいね」の先に何があるのか考えてしまった。


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