受恵教本部で「gift」を拒否した夏目(染谷俊之さん)の話を耳にした柚原(廣野凌大さん)が、静かに眉をひそめるシーンで、モヤモヤとした空気がガラリと変わった。
そこに兄・夏目卓(藤田玲さん)が登場し、兄弟の距離感が露になる瞬間にドキッとした。
特犯課が屋上でgift能力を使う青年・椎橋(前嶋曜さん)を追い詰める場面も、緊張と焦燥が入り交じっていて、ただの捜査劇ではない深みを感じた。
拒絶された力と信じる者の責任
「giftを拒否した」という言葉の重さ。
それを聞いた柚原の表情が、まるで「拒絶された存在」に対する問いかけのようで、胸に残った。
能力=祝福?それとも呪い?それをどう捉えるかで、登場人物たちの立ち位置がグラグラ揺れていくのが面白い。
兄弟の影と刑事という仮面
兄・夏目卓の突然の訪問。
弟・夏目(染谷俊之さん)の表情が「あ、この人には素の自分を見せなくては」という一瞬で切り替わったのが印象的。
刑事としての夏目と、兄弟としての夏目。
どちらの顔も混ざり合っているときに、彼は一番脆く見えた。
捜査と宗教、能力というワードが交錯する世界
特犯課の捜査シーン。屋上で椎橋を追うカメラが、能力による暴発の予兆を映し出す。
一方で、受恵教の信者・布施未尋(小西成弥さん)が訪ねてくると、宗教としての“gift”の扱い方が見えてきた。
「能力」を巡る問いが、捜査・兄弟・宗教という三つの軸で広がっていく。
見ていて、能力を制御するのは“外”だけじゃなく“内側”だなと思った。
第4話で、これまでの“事件を追う刑事ドラマ”の枠がひとつ壊れたような気がする。
登場人物たちの選択が、次々にその枠の外側へと飛び出していく。
もう「能力を持った人と刑事」だけでは収まらない、もっと深くなる予感がして、「次回も…」と言いたくなるけど我慢。
この世界に踏み込んだら、戻れない扉を開いてしまいそうだ。


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