「ふたりエスケープ」第4話の感想|寿司から始まった“妄想猫”のゆるくて可笑しな反逆【ネタバレなし】

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今回は、先輩(岩本蓮加さん)と後輩(冨里奈央さん)の二人暮らしの“日常のズレ”がすごく愛おしかった。
“生ハムばかり食べる暮らしに飽きて”というフレーズで幕を開けた回だったけど、そこから寿司のイラスト→夢の寿司→漫画依頼→白猫…って流れがもう、予想外。
「妄想が命を作る」という先輩の言葉が、こんなに真っ直ぐ刺さるとは思わなかった。

生ハム生活から寿司への昇格

原稿料を元手に生ハム原木を買っていた二人の暮らし。
そのままでも“自由だなあ”とニヤッとできるのに、あえて「寿司のイラストを描いてほしい」とお願いする先輩が面白い。
寿司ネタを枕にして夢で寿司を味わう、なんて発想も暴走気味で最高。
そして、その流れで後輩が描いたのが“白猫”っていうオチにも、思わず笑ってしまった。

“エア猫”「ちくわぶ」がくれた安心と儚さ

先輩がずっと飼いたかったという猫が、実際には“白猫のイラスト=エア猫「ちくわぶ」”として誕生する。
そこに“可愛がる”という行為を持ち込むところがなんかじんわり来た。
けれど、それが長く続かないという事実も同時に示されてて、安心だけじゃない余韻が残る。
“存在しないけれど確かに愛しい”っていうエア猫の役割が、この作品の“逃げ場”になってるんじゃないかな。

“妄想”vs“現実”のゆるやかな下り坂

「寿司描いて」「漫画描いて」って軽く始まったお願いが、白猫という答えになった瞬間、「妄想の世界に浸ること」が現実より優先されてるんじゃ…?って思わされる。
でも先輩はそれを嫌がらず、「ちくわぶ」と暮らそうとする。
それが“逃げ”じゃなくて“選択”になってるのが興味深かった。
ただ、物語は“その暮らし”が長続きしないと示唆してるから、その後がどう動くかがひとりでに気になる。

全体的に、この第4話は“軽いノリで始まるけど、ちょっとだけ胸に引っかかる何か”を上手に残していた。
生ハムも寿司も猫も、どれも“食べる”“描く”“飼う”というアクションを通じて、「もっと自由に、もっと楽に」という気持ちを紡いでた。
でもそのぶん、「現実」と「逃避」の境目がくっきりし過ぎていて、心地よい揺らぎもあった。

見終わったあと、ちくわぶ(エア猫)を抱きしめてみたくなったし、でも次の瞬間「現実の猫を飼おうか?」という妙な問いも浮かんだ。
そんな夜だった。

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