自由を抱いて逃げる二人の距離
社長令嬢・八神結以(桜田ひよりさん)と誘拐犯・林田大介(佐野勇斗さん)が、裏社会の手を借りて宇都宮から脱出し、東京のマンションに“潜伏”する。
この逃亡という名の旅路で、ただ逃げるだけじゃなく、二人が互いを見る目が揺れていく瞬間が胸に残った。
「誘拐された/した」という枠を超えて、結以と大介の“関係”が変化していく雰囲気が、切なくて、どこか眩しかった。
仮装して街へ出る、それが“青春”という嘘と本音
新たな生活を装い、結以は大介の元カノ・莉里(影山優佳さん)の家に身を寄せる。
そして、仮装をして街へ繰り出すあのシーン。回転寿司やゲームセンター、ファミレス…逃亡中だからこそ無垢に楽しむ姿。
だけどその裏側に「警察もSNSも追ってる」という影がずっとついていて、そのコントラストがたまらなく揺さぶられた。
“青春を取り戻す”という言葉が、こんなに切実に見えるとは思わなかった。
親の暴走も、支える人も見えてきた
結以の父・八神慶志(北村一輝さん)が、警察無断で捜索情報をサイトに公開。
その行為が“追われる側”の状況を一気に過熱させていて、親の“暴走”が逃亡者の足を余計に縛るという構図にゾッとした。
同時に、誘拐犯と人質という立場を超えて結以を守ろうとする大介。
その板挟みに立つ結以の姿が、強く、そして脆かった。
終わりの始まりを感じた逃亡劇
「逃げ切れるわけがない」という前提の中で、それでも走り続ける二人。
仮装して笑い、揚げ物パーティーをして、“普通”を演じてみる時間が楽しくもあり、痛々しくもあった。
そしてSNSに目撃情報が出回るあの瞬間、「逃げてる側が記録されてる」っていうリアルが、一気に現実を押し寄せてきた。
第4話で“逃亡”という物語の終わりが見えたわけではないけれど、その終わりが近づいている気配を強く感じた。


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