翠（宇垣美里）さんの世界が、一夜でひび割れていくようなその瞬間を見て、心臓がギュッとなった。
ブライダルチェック、不妊症の告知、そして聡（渋谷謙人）くんに振られる。その連続が、どれも重くて痛かった。
職場で浴びる同僚や後輩の無神経な言葉も、ただただ胸に刺さる。
翠が「もう後がない」と思えてしまうあの夜の暗さに、ぐっと引き込まれた。
壊れそうな日常と崩れゆく約束
７年を共にした人から「婚約を認められるには…」という言葉を背負っていた翠。
それが、一通の検査結果で音を立てて砕けたような様が、リアルで切なすぎた。
「あなたのために」って思ってきたものが、いつの間にか自分を縛る鎖になってる感じがして、胸がざわつく。
出会いと提案、闇の縁
ナンパされる場面で真央（山中柔太朗）くんが助けに現れるところ、まさに運命のいたずらだなと思った。
翠が真央に対して提案するその言葉――あれが、彼女の心の底に沈んだ”痛み”を露わにする合図だった。
「できても、できなくても」というタイトルの意味が、この夜に重くのしかかる。
夜に鳴る静寂と小さな叫び
夜道の静けさに、翠の孤独が息づく。
闇の中で光るわずかな希望も、どこか揺れて見える。
あの終盤、翠の告白めいた言葉の切なさが、耳にずっと残っている。
翠の世界がこれからどう崩れて、どう再生していくのか。見届けたくて息を止めたくなる夜だった。
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