波多野玄一さん(及川光博さん)とほたるちゃん(白鳥玉季さん)が交わした“親のフリ”という契約から、心の奥で少しずつ何かが変わっていくのを感じた。
玄一さんの優しさに包まれたこの関係が、ただの演じごとでは済まない厚みを帯びてきて、胸がきゅっとした。
秘密の契約から始まった仮りの“家族”関係
「卒業までの半年間だけ、親のフリをしてほしい」というほたるちゃんの切実な決意。
玄一さんは「お金はいらないよ」と拒むも「持っとくだけでいいんで」と託されてしまう。
この契約の軽さと重さが同居してて、観ていて胸に何か引っ掛かるものがあった。
仮りでも“父”という存在に玄一さんがなることを選んだあの瞬間が、ただの演技以上のものに見えた。
共同生活が始まった瞬間の違和感と温かさ
担任の作田索くん(手越祐也さん)が車中泊を始めたり、大家さんの井の頭さん(坂井真紀さん)が間に入ったり、なんとも言えない“形”の家族が出来上がる。
玄一さんが朝おにぎりを作って持っていったとき、思わず“本当に誰かのために”という気持ちが滲んでて、ちょっと涙が出そうになった。
その一方で、索くんもほたるちゃんも「親のフリだから」「いつもの生活じゃないから」って壁を感じてるのもリアルで、まるで現実を映しているみたいだった。
動き出した“本当の感情”とその予感
ついに玄一さんが索くんに「好きなんです!」と告白する場面。
仮りの親子だった関係に、静かだけど確かな“感情”が芽生えている。
その告白が一瞬で空気を変えて、物語の芯がひとつ動いたような印象を受けた。
そして、ほたるちゃんの本当の父・仁さん(光石研さん)が現れたことで、静かだった平面が一気に立ち上がっていった感じがする。
この回で一番引っかかったのは「選んだ関係が、本物になるかどうか」っていう問い。
仮りの親子という“形”を越えて、誰かを選ぶってことがどういうことなのか。
観ているこっちも、自分だったらどうかなって考えちゃった。


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