トキ(髙石あかりさん)が銀二郎(寛一郎さん)を探して東京へ出たあの第一歩だけで、胸の深いところがキリッと冷えた。
あの「探しに来た」という覚悟の言葉が、もう彼女を後戻りできない場所へと連れていってるんだなと感じて。
ひとつずつ、印象的だった場面を振り返るね。
松江出身者との出会いと「帰るべき場所」の問い
錦織(吉沢亮さん)、根岸(北野秀気さん)、若宮(田中亨さん)…銀二郎と一緒に暮らす松江出身者たちと出会うトキ。
その場の会話に、彼らの故郷・松江の余白がちらほら顔を出してて、トキの「松江へ一緒に帰ろう」という想いが、すごく鮮明になった。
でも、その「帰る場所」が本当に存在するのか、あるいは銀二郎自身がそこに戻る気がないのか。トキの声には揺れがあった。
再会の瞬間に宿る、言葉にならないもの
銀二郎が下宿に戻り、やっとトキと顔を合わせたあのシーン。
抱きしめるでもなく、飾るでもなく、「帰ろう」というトキに、銀二郎が示した微妙な返事。
そこに込められた「戻れないかもしれない」けれど「断てない何か」が、画面を通してズシンと響いた。
言葉よりも、沈黙や表情の変化が語っていた。
この回が示した“二人きり”以上の距離
トキと銀二郎だけでなく、松江出身者たち、そして東京という土地が混ざり合って、この物語の“枠”が広がったと思う。
「戻る」「逃げる」「前に進む」――それぞれの選択肢がトキの前に並び始めた感じ。
そしてそのどれにも“安全”なんて文字は付いていない。いい意味で緊張感が漂っていた。
この第18回を観て、トキと銀二郎の“夫婦”という言葉が、少しずつ揺らいでいく予感がした。
同時に、「帰る」ということがどういう意味を持つのか、改めて考えさせられた。
先を知ってる立場だからこそ、余計に「この瞬間、二人がどう決めるか」が気になった。
でももちろん、ネタバレはここまで。


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