三之丞(板垣李光人くん)の表情が、いつもより遠くて――トキ(髙石あかりさん)が傳(堤真一さん)の回復を告げても、言葉が届かないように感じられた。
傳の体調が少しずつ上向く中、それを知らせるトキの瞳にも、どこか切なさが混ざっていた。
検番・平井の厳格な顔とその裏側
工場では検番の平井(足立智充さん)による品質検査が厳しさを増し、せん(安達木乃さん)は連続して失敗を重ねる。
そのプレッシャーがついに手を出すという暴発に至る。
あの一瞬、その拳と被検査物の間に籠もる絶望の熱が、画面から伝わってきた。
傳の激突、三之丞への問いかけ
久しぶりに様子を見に来た傳が、平井の手の瞬間を目撃する。
言葉を飲み込んだあの沈黙と、三之丞に説明を求めるその鋭さ。
“守る者”の立場として伝えるべきことと、背負うべき重みが音を立てて動き始める。
第15回は、誰かが見ていなければ崩れてしまいそうな均衡が、ついに揺らぎを見せた夜だった。
それぞれの胸の奥にある忠義、罪、疑惑が、影を伸ばしてきた。
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