傳(堤真一さん)の看病を始めて三週間が過ぎるも、全く快方が見えない中でのトキ(髙石あかりさん)の振る舞いが切なすぎた。
彼女は傳の前では強く「順調だ」と言うけれど、工場では重労働を強いられ、支える側の消耗がむき出しになっていた。
見えない疲労、積もる重圧
トキ、チヨ(倉沢杏菜さん)、せん(安達木乃さん)、工女たちが、木馬のように働かされる現場描写が胸に刺さる。
彼女たちの表情に嘆きや怒り、あきらめ、すべてが交錯していて、背後に時代の重さを感じた。
トキがけがを負ってしまったあの夕食の場面、そこにある血や痛みよりも、気丈に振る舞おうとする意志の揺らぎが、痛々しかった。
タエの提案、迷いの始まり
駆けつけたタエ(北川景子さん)の提案が、トキにとって衝撃だった。
あの場で提示された選択肢が、これまでのトキの覚悟や信念を揺さぶるものになっていて。
いつも強くあろうとしていた彼女が、初めて迷いという名の影をまとった瞬間だった。
支えるという罪と責任
傳の姿を思いやるトキの背中には、支えることの代償が見え隠れしていた。
傍らにいるタエやチヨたちの視線の中に、温かさと疑念、優しさと非情さが混ざっているように感じて。
身体の怪我が目に見える痛みなら、心の傷はもっと消えにくいんだと思いながら見ていた夜だった。
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