トキ(髙石あかりさん)と銀二郎(寛一郎さん)の新婚生活が始まり
その穏やかさに心が甘く解けそうになった。
銀二郎が働き者として家を支える姿が、本当に優しくて、見ていて安心感がある。
でも、その背景に流れる“家の借金”や“工場の不安定さ”という影が
じわりと輪郭を帯びてきて、幸福がいびつさを帯びて見える瞬間がちらりとあった。
幸福な食卓、祖父・勘右衛門(小日向文世さん)や父・司之介(岡部たかしさん)が銀二郎にかける期待。
でもその期待も、“重さ”となって響いているように感じられた。
布団の中で交わされる会話、夜の静寂の中で見える視線。
あの場面、背後にあるものを想像して胸がきゅうっと締めつけられた。
そして、工場側の不穏な空気。
雨清水家の機織り工場での動き、氏松の出奔、借金取りの影。
この静かな始まりのなかに、波乱がじりじりと迫っているのがわかる。
第11回は、“幸せのピーク”を描きながらも、その裏にすでに亀裂を忍ばせた回だったと思う。
「あの幸福の時間が、いつ裏返るんだろう…」という予感が、1話として効いてた。
今後、どちらを信じ、どこに踏み込むか――その緊張を孕んだ展開が、もうすでに見えるような気がする。
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