憧れの旗を掲げた先で
右京(水谷豊さん)へのあこがれから交番勤務を経て刑事になった高田創(加藤清史郎さん)が、念願の“捜査のフロントライン”へと足を踏み入れる。
特命係という、どこか独特なポジションで右京さん&薫(寺脇康文さん)と関わる高田くんの姿に、少しゾクっとした。
「警察官としてではなく“右京さんの弟子”でもないか」という視点が、彼の行動一つひとつに陰を落としていた。
被害者の過去と“逆恨み”の構図
舞台は、高田くんの所属管轄で発生した元刑事の女性殺害事件。
被害者は半年ほど前に担当した暴行事件で、執行猶予付きの判決を受けた男から逆恨みを受けて退職に追い込まれていたという。
この“いったん表に出た過去”が、あやうく今の事件と重なってしまう構図に、胸の奥が沈んだ。
捜査が「逆恨みか」「過去の捻じれか」という二択に迫られていく流れが、ただの謎解き以上のものを感じさせた。
捜査のフレームが揺れる瞬間
右京さんと薫さんが遺体の痕跡から“浅からぬ関係にある人物”へとたどり着く一方で、高田くんは被害者の元同僚刑事とタッグを組むことに。
職務質問するあの怪しげな男、マンションの管理人からの証言…正義の線とグレーの線があいまいになるあの瞬間、「あれ?ここからこうなるの?」と画面に釘付けになった。
このエピソードの怖さは、捜査側も“何が真実か”を確信できないまま進む点にあると思う。
忠誠か自由か、選択を迫られて
刑事になった高田くんが抱えるものは“憧れ”だけではなく、“守りたいもの”と“壊すべき枠”との板挟み。
右京さんという存在の大きさが、彼にとって味方でもありプレッシャーでもあるんだろうなと感じた。
特命係との交流、そして“今までと違う”捜査現場に立たされて、彼がどう変化していくのか、第3話でそのイントロがきらりと光っていた。
捜査が思わぬ方向へと展開したあのラスト、息を呑むほどだった。


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