沈黙の中にあった決意
真央(神尾楓珠さん)が3年前に大腸がんを発症していたという事実を胸にしまい、「完治までは誰にも言わない」という誓いを立てていたというあの場面。
それを知ってから、彼に関わるすべての空気が変わって見えた。
幼馴染の颯(藤原丈一郎さん)に対して、妹の莉津(本田望結さん)が「想い」を秘めたまま距離を置いていたという描写にも、胸がチクッとした。
「好きなのに言えない」って、こんなにも静かな痛みを伴うものだったんだなあ。
揺れる想いと、明かされる嘘
颯と莉津の「もう一人の兄弟のようになってしまった」関係性が、切なさを増していた。
そして、真央がその隠された病を抱えたまま、颯の目に莉津との“付き添い”の姿を映らせてしまったあの瞬間。
「見られた」ことで変わる視線と、「隠してきた」ことで積もっていったものの重さに、息が詰まりそうだった。
由宇(葵わかなさん)が真央の突然のキスを理解できず、突き進むのをやめようと決める場面も、私にとっての“分岐点”だった。
切ないほど真っ直ぐな“好き”の形
莉津の“10年以上想い続けた初恋”が、ずっと片隅にあったこと。
誰も悪くないのに、「兄の友達」になってしまった颯を見ながら、莉津の心がどんどん内側に閉じていく描写に、胸がぎゅっとなった。
そして、真央の「誰にも言わない」という選択が、まわりを守るためのものだったと気づいたとき、自分でも知らないうちに涙が出ていた。
未来と過去の狭間で見えた希望
第4話を見終わったあと、「隠す」という行為が愛になることもあれば、鎖になることもあるのだと感じた。
真央の病と、莉津の想いと、由宇の決意と。どれも“これから”を指しているのに、同時に“あの日”を離れられずにいた。
そのすべてが交差する瞬間、私は「変わるためには、まず壊すしかないのかも」って思って、夜になってもしばらく頭の中でその単語を反芻していた。
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