「介護スナックベルサイユ」第5話の感想|“会いたい人”の本当の意味を考えた夜【ネタバレなし】

本ページはプロモーションが含まれています

戻る場所って、きっと理屈じゃない

神代大輝(杢代和人さん)が店を去ろうとして、でも結局ベルサイユに戻ってくる――この流れが静かに胸を打った。
「闇バイト仲間に脅される」なんて重い事情があるのに、なぜか離れられない場所。
ママの上杉まりえ(宮崎美子さん)やお客さんたちとの時間が、彼にとって唯一“生きてる実感”をくれるのかもしれない。
帰る理由はいつも曖昧なのに、ここにいれば心が少し温かくなる。
そんな“居場所”の意味を、第5話で改めて感じた。

会いたい人に、会える夜

リストラされた音無静夫(田山涼成さん)が「魔法のワイン」を求めてやってくるシーン、優しさと切なさが混ざってて泣きそうになった。
会いたい人に会える――それは希望でもあり、時に試練でもある。
音無さんが“まさかの相手”を願った瞬間、笑ってしまいそうなのに、胸の奥ではチクリと痛む。
誰かを想う気持ちは、失っても消えないんだなって思わされた。
このドラマの“ワインの魔法”は、願いを叶えるんじゃなくて、“本音”を映し出す鏡みたい。

愛と孤独の間にあるもの

梅原絹江(樫山文枝さん)と陶芸家・滝内遊山(麿赤兒さん)のエピソードが本当に美しかった。
夫に先立たれた女性の前に現れるのが“夫ではない誰か”という展開に、思わず息をのんだ。
絹江さんと遊山さんの静かな会話の中に、“人を想うことの自由さ”と“罪悪感の境界”が揺れていて、涙がにじむ。
それぞれの人生の終わり方や、心の整理の仕方は違う。
けれど、「もう一度、誰かと生きたい」という願いには、きっと誰もがうなずけると思う。

ベルサイユがくれるぬくもり

今回も、“スナック”という小さな場所が人の心を救っていく。
まりえママの言葉はどれも優しくて、でも決して甘やかさない。
彼女の存在が、この物語の真ん中にある“希望”そのものなんだと思う。
見終わったあと、まるで自分もベルサイユのカウンターで一杯飲んだような気持ちになった。
会いたい人がいなくても、誰かに見守られてるような安心感。
このドラマの魔法は、静かに心を包み込む。

コメント