「ばけばけ」第25回の感想|“言葉にならない距離”が切なすぎた【ネタバレなし】

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前日の夜に流れる静かな焦り

ヘブン(トミー・バストウさん)の初登校を前に、錦織(吉沢亮さん)の落ち着かない様子が胸に刺さった。
どんなに優しく声をかけても、通じ合えないもどかしさ。
その沈黙の時間が、まるで“心の距離”そのものみたいで見ていて苦しかった。
そして知事(佐野史郎さん)から告げられる“ヘブンの秘密”——。
あの瞬間、空気が一気に変わった。
何かが崩れそうで、でもまだ崩れていない絶妙な緊張感。
第25回の序盤からすでに、涙腺が危なかった。

登校の朝、誰もが祈っていた

花田旅館にしじみを売りにきたトキ(髙石あかりさん)が、平太(生瀬勝久さん)たちと一緒にヘブンの登校を応援しようとする場面。
その“何でもない日常の優しさ”が、この作品の根っこだなって思った。
でも、肝心のヘブンが部屋から出てこない。
あの沈黙が、音のない悲鳴みたいで怖かった。
誰も悪くないのに、何かがすれ違っている感じ。
笑顔の中にある寂しさが、じわっと心に広がっていった。

トキの“違和感”が呼び起こす記憶

トキちゃんが“ヘブンと出会ったときの違和感”を思い出すくだり。
あの回想の挟み方が本当にうまくて、ただの思い出じゃなくて“警告”みたいに感じた。
彼女の目に映るヘブンの姿が、少しだけ違う。
その“少し”が、物語全体を揺らす鍵になっている気がした。
穏やかな空気の中に、どこか不穏な影が差してくる演出にゾクッとした。

届かない声、それでも願う

錦織くんの“焦り”と、ヘブンの“沈黙”。
どちらも優しさから生まれているのに、すれ違ってしまう。
その切なさがこの回のすべてだった気がする。
言葉で伝えられない想いを、まなざしで伝えようとする二人。
その姿を見ていると、ほんの少しの理解がどれだけ尊いかを思い知らされた。
静かなエピソードなのに、心の中では嵐みたいに揺さぶられる回だった。

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