朝のラジオ体操と、何かすれ違ってる空気
一階に住む永島慎一（草刈正雄さん）とさとこ（阿川佐和子さん）が家を空けて、マンションの日常が少し変わる。
渉（北村有起哉さん）が「離婚のことは分かってますよ」とチラつかせるような態度をとったあん（仲間由紀恵さん）のモヤモヤ。
あんのイライラが、なぜか朝の支度から漂っていて、“普通の朝”の裏にある気まずさが胸に残った。
ホースから立ち上る虹と、沈んでいく会話
あんが屋上で植物に水をやり、ふと虹を見つけるシーン。
一見、誰もが「きれいだね」と言いそうな光景だけど、そこにいる四人の中には言葉にできない緊張感があって。
一瞬の美しさが、むしろ不穏さを際立たせるっていうのが印象的だった。
その後の、あんと渉の車内でのやり取り。
「離婚の話」そのものよりも、すれ違い続ける二人の距離が切なくて、画面を見ながら胸に“ぐっ”と手を当てたくなった。
娘・ゆずの“知ってる”顔と、親の隠しごと
ゆず（近藤華さん）が「もう知ってる」と兄・順（小瀧望さん）に相談する場面。
子どもなのに“察してしまった”というモヤモヤを抱えて、親の前では平静を装う。
あんは完璧に隠せてると思ってるけど、その思い込みが逆に切ない。
ゆずと順、姉弟の空気が切り替わる瞬間を感じて、胸がじんとした。
“普通じゃない日常”の上に立つ決意と疑問
家を留守にした慎一・さとこ夫妻の事情も、静かに影を落としている。
孫たちを迎える準備、住人たちの温かさと、それを支える気疲れの交錯。
“家族”って何だろう、“離婚”って何だろう。
見終わった後、夜ベッドでふと思った。「この家の“普通”には、ひびが入っているんだな」って。
とはいえ、希望の光も確かにあって、虹のシーンがそれを象徴している気がして。
この第4話を見て、私は“言いたくても言えないこと”がいくつも胸に残った。
朝の空気、夕方の沈黙、そして夜の心のざわめき。
次の回がどう転んでも、もう私はこの家族の道筋を見届けたくなっている。
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