交錯するふたつの依頼
町工場の社長・所聡(平原テツさん)が「妻は騙されている」と探偵・伊勢谷海(水沢林太郎さん)に依頼。
一方、妻・所涼子(中島亜梨沙さん)は「性格の不一致」で離婚を弁護士・音喜多初(前田公輝さん)に依頼。
それぞれがまったく逆の立場から動き出して、案件だけでなく“立場”と“感情”が激しくぶつかっていく流れがハラハラした。
不倫の“相手”が放つ光と影
涼子さんが関係を持っていたのは、大企業の社長・榎本雅也(萬浪大輔さん)という“ハイスペック”な男。
ふたりの“格差”がこの不倫に持つ意味を、初めて意識した瞬間だった。
「騙されている妻」「浮気をしている妻」――その二重構造が、誰を信じ、どちらを守るのかというテーマを深めていた。
探偵と弁護士、それぞれの矜持
海くんは聡さんの依頼を受けて調査に乗り出し、初くんは涼子さんの弁護を受けて準備を進める。
しかし、それぞれの“依頼人の顔”が見えてくるにつれ、「正義って何?」「依頼って何?」という問いがより濃厚になっていった。
依頼者の裏側にある事情、そしてその事情を知ったときの心の揺れが、静かに、しかし確実に視聴者へ刺さってくる。
姉の入院と、弁護士の私生活のヒビ
初くんには、姉・楓(入山法子さん)の入院という家族の事情があった。
見舞いに来る姪・杏奈(増田梨沙さん)のクッキーが喉を通らなくなるほど、楓さんの体調は芳しくなくて。
仕事で「離婚」という人生の分岐点に立ち会いながら、自分自身の“家庭”も揺れているというこの構図が、なんともリアルで胸が痛んだ。
真実に近づくとき、誰が笑顔でいられるのか
この回のラストに向けて、「誰が本当に騙されていたのか」「誰が本当に欲していたのか」という疑問がどんどん大きくなっていった。
騙す側、騙される側、離婚を求める側、離婚を止めたい側――すべての立場が流動的で、決めつけられない。
第5話で物語は深みを増し、「離婚」という言葉の中にある“痛み”と“解放”と“裏切り”がさらに交錯し始めたように感じた。


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