「gift」第5話の感想|“能力”と“犠牲”が交錯した静かな狂気【ネタバレなし】

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連絡の途絶えた存在が示すもの

まず、柚原(廣野凌大さん)が行方をくらませる――その空白が、秋葉(和田琢磨さん)と佐久間(谷口賢志さん)の間に気まずさと重い影を落としていた。
連絡が途絶えた人がいるだけで、状況が一変するというこの仕掛け、じわじわと効いてきた。
“何が起こっているのか分からない”という浸透感が、静けさの中にじっと広がっていた。

壊死死体という異例の手がかり

外傷はないのに内臓だけが壊死した死体が発見される…。その異様な状況に、思わず息を呑んだ。
そして被疑者・篠原(倉冨なおとさん)が特犯課に移送され、尋問に応じないという構図が、単なる“犯罪”以上のものを感じさせた。
“能力者”という線が浮かび上がった瞬間、刑事たちの捜査が“力”と“倫理”の迷路に迷い込むのを見て、心の奥がざわついた。

「gift」を持つ者、その意味

佐久間さんが篠原を「giftを持つ能力者」と判断し、秋葉くんに“何の能力か”を吐かせようとする――このやり取りが本当に重かった。
能力という“異質さ”を前に、刑事の役割や捜査のルールが揺らぎ始める。
「能力がある=異常」ではなく「能力がある=責任」になるのか、「能力がある=被害」になるのか、視点がどんどん揺れた。
秋葉くんの苦しみ、「能力を明かすこと=危険を呼び込むこと」というジレンマが伝わってきて切なかった。

静かに迫る次の波

今話は爆発的なアクションや衝撃だけが目立つ回ではない。むしろ、静かな恐怖と疑念が前面に出ていた。
それゆえに「次に何が来るか」が妙にリアルに予感できて、緊張感が息をしてる。
“捜査”と“異能”の接点、その先にある“犠牲”と“選択”のシーンがすでにちらほら見えていて、見ていて身構えてしまった。
第5話で、物語がひとつの分岐点を迎えたような気がする。
そして、秋葉くんが選ばなければならない“言葉”と“行動”が、今後の鍵になりそう。

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