「シナントロープ」第4話の感想|“運命は決まってる”という静かな刃が胸に【ネタバレなし】

本ページはプロモーションが含まれています

再スタートの高揚と、それを揺らす影

“バーガーショップ”として生まれ変わった “シナントロープ”で、都成(水上恒司さん)たちが新たな一歩を踏み出す姿は、まぶしくて胸があたたかくなった。
けれど、客足がなかなか戻らない水町(山田杏奈さん)の表情には、焦りと不安が混ざっていて、まるで夜明け前の空が雲に覆われているような気持ちに。
そのギャップが、静かにだが確実に“何かがおかしい”という違和感を胸に刻んだ。
「やっと、ここから始まる」って思った瞬間に、すでに“壊れやすさ”が忍び寄っていた。

大量注文の一瞬の光と、その裏に潜む罠

塚田(高橋侃さん)のライブをきっかけに舞い込んだ“大量デリバリー注文”の知らせ。
やっと掴んだ希望のようで、店内はみんな張り切って鉄板を握る――そんな場面、私は少し胸が高鳴った。
だけど、折田(染谷将太さん)の仕掛けた罠だと知ったとき、その高鳴りは一気に冷えて、「あ、この光ってこうして切られるものなんだ」って思ってしまった。
希望と罠の分かれ目って、こんなにも紙一重なんだなって、鉄板のシーンひとつで感じた夜だった。
しかも、運命はもう、誰かによって設計されていたのかもしれない…という冷たい予感が胸に残る。

誰とどこで信じ合えるのか、揺らぐ視線たち

都成と水町の間に流れる沈黙が、目で語るものの重みを増していた。
言葉に出さないからこそ、“何かを守りたい”“何かを壊したくない”という思いが空気に溶け込んでた。
水町が見せる少しの笑顔、その裏にある疲れと、自分だけが背負ってるような孤独。
都成が見せる小さな気遣い、その裏で自分自身に問いかけている覚悟。
“信じる”ってことが、優しさだけじゃ成立しない瞬間を目撃してしまった気がして。
人を守ろうとすればするほど、自分の足元が揺らぐということ。
その揺らぎが怖くて、でも目を背けられなかった。

運命という檻と、そこからの一歩

「運命は決まってる」――このタイトルが、第4話の余韻を凝縮してる。
けれど、見終わった後に感じたのは「決まっているからこそ、抵抗する価値がある」ってことだった。
大量注文という光が、罠だったと知った瞬間から、店も人も物語も“動かされている”感覚に包まれて。
裏組織や過去の影、“正しさ”を信じることの危うさ。
ハンバーガーの香ばしい音と鉄板の乱反射の中で、誰かの信頼が静かに砕けていくのを見た。
それでも、違和感を感じた瞬間に手を抜かなかった都成たちの姿が、心に残った。
彼らが次に選ぶ一行が、どんなものになるのか。
この夜、静かに灯った明かりが、明日どう揺れるのか。
それを想像するだけで、胸がぎゅっと締め付けられる。

「シナントロープ」の関連グッズを楽天ブックスで探す
「シナントロープ」の関連グッズをAmazonで探す

コメント