町工場の悲劇が胸を刺す
町工場「ミズハラ製作所」の社長・水原明人さんが資金を失ってしまったあの場面。
“経営統合”という未来への希望が、あっという間に奈落へと変わってしまったあの展開に、息を止めてしまった。
ただ助けを求めたはずの税理士・上村元也さんと、外部の会社「ネッブス」社長・奥田真斗さんとの結びつき。
それが普通の「支援」ではなく、まるで“罠”の一部だったような重さ…いや、冷たさを感じた。
被害を受けたのは工場だけじゃなく、そこに積み上げてきた人生や誠意だったのかもしれない。
組織の底にうごめく“情報犯罪”の影
“宗教法人ルミナス”を母体にした黒澤ホールディングス。
信者を巻き込むビジネス、そして経営難の企業を取り込む“承継ビジネス”という言葉。
その構図がこんなにも私たちの隣にあるのか…という恐怖が、じわじわと襲ってきた。
“金を奪う”という単純な犯罪以上に、選び取られた“弱さ”や“期待”を利用しているのが、追う側としても胸が重くなった。
それに気づき始めた捜査官たち――特に二宮奈美さん&南方睦郎さんのコンビが、冷静にそして熱を持って動き出した瞬間が、ぐっと来た。
友人だった男が“疑わしい”に変わる瞬間
南方睦郎さんが、大学時代の友人・上村さんに出会ったときのあの表情。
「これはただの捜査対象じゃない」という気持ちが、画面越しにも伝わってくるようで、胸がぎゅっとなった。
“知ってる人”が疑いの対象になるって、観ている側まで落ちる。
そして、その裏側にある“選択”と“逃げられない構図”を知ったとき、静かな怒りと悲しみが混ざった感情が湧き上がってしまった。
断片が示す“見えない網”を意識してしまう
「情報犯罪」という言葉がひとり歩きしているようで、実はその“網”が人間関係や信頼、未来への希望にこそ張られていたように感じた。
被害を受けた和菓子店のエピソードも、その“誰かに紹介された”という構図があったからこそ怖かった。
あのラスト、「逃げられない」という言葉を胸に秘めた人物を見たとき、ゾクッとした。
見終わったあとも、ふとスマホを触る手が止まって、「この網、私の周りにも張られてるの?」って思ってしまった。
第3話を観終わった後、頭の片隅に「信頼できる人」すら揺らいでいることに気づいた。
それって、とてもやるせないけど、このドラマならではの怖さだと思う。
これまでとは少し違う視点で“犯罪”を見せつけられた夜だった。
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