『御曹司に恋はムズすぎる』第8話の感想

昴を演じる永瀬廉の演技が光った回だった。後継者としての自信が揺らぎ、成田への対抗心が燃え上がる様子を、表情や声のトーンの微妙な変化で巧みに表現。まどかを気遣う場面では、一転して繊細な優しさがにじみ出ていた。

成田を演じる小関裕太の演技が、余裕たっぷりで圧倒的な存在感を放っていた。昴に対して堂々とした態度を崩さず、「譲る気はない」と言い切るシーンの力強さが印象的。対照的なキャラクター性がしっかりと表現されていた。

まどかを演じる山下美月の演技が、複雑な感情の揺れを丁寧に描いていた。成田の突然の告白に動揺しつつも、昴への気持ちも無視できない葛藤を、目線や息遣いでリアルに表現。看病されるシーンでは弱さも垣間見え、さらに共感を呼んだ。

亘を演じる鹿賀丈史の威厳ある演技が、物語に深みを与えていた。成田の正体を明かすシーンでは、ただの祖父ではなく、経営者としての厳しさがにじむ演技が秀逸。彼の一言がすべてを動かすような説得力があった。

永瀬廉と小関裕太の演技が火花を散らし、ライバル関係の緊張感を最大限に引き出していた。展示会での張り詰めた空気や、まどかをめぐる対立のシーンは、二人の演技力がぶつかり合い、物語を一層引き締めていた。