『クジャクのダンス、誰が見た？』第5話の感想

広瀬すずが演じる心麦の複雑な心情が見事に表現されていました。事件の真相を追う中で、彼女の不安や迷いが演技から伝わり、観る者を引き込んでいきます。心麦が抱える葛藤や決意が、広瀬の自然な演技によって丁寧に描かれており、その感情の変化が心に残りました。

松山ケンイチが演じる松風は、友哉の一言に揺れ動く心情を見事に表現していました。冷静に物事を進めていた彼が、心の中で葛藤する様子が伝わり、松山の演技力の幅広さを感じました。松風の内面的な変化が、松山の演技によってとてもリアルに描かれ、感情の揺れに引き込まれました。

瀧内公美が演じる阿南の冷徹で真剣な態度が際立っていました。友哉の起訴に向けた行動を厳格に進める中で、彼女の内面に潜む冷静さと執念が伝わってきました。瀧内の精緻な演技が、阿南のキャラクターに深みを与えており、ドラマの緊迫感をさらに引き立てています。

リリー・フランキーが演じる春生の静かな存在感が際立っています。彼の手紙を受けて心麦と松風が動き出す場面では、リリーの演技が大きな影響を与えており、謎めいた雰囲気と落ち着いた態度がドラマの中にしっかりと息づいています。彼の演技は、物語の重要な鍵を握る人物らしさを感じさせます。

石丸謙二郎が演じる三木田辰雄は、登場するたびにその落ち着きと深みで周囲のキャラクターに強い印象を与えます。元弁護士としての知識や経験を感じさせるだけでなく、言葉に重みがあり、シリアスなシーンでも観る者を引き込む力を持っています。石丸の演技がドラマに一層の信頼感を与えています。