『法廷のドラゴン』第6話の感想

竜美（上白石萌音）の演技が非常に印象的でした。遺産分割協議で予期せぬ状況に直面したとき、彼女は冷静さを保ちながらも、家族の感情に寄り添い、難解な詰将棋の問題にも挑戦します。上白石の自然な演技は、竜美の頭の良さと感情の豊かさを見事に表現しており、ドラマを引き締めていました。

高杉真宙が演じる虎太郎は、真剣に問題に取り組む一方で、少し抜けた一面もあり、バランスよくキャラクターを作り上げていました。時折見せる笑顔や、家族とのコミュニケーションの中で柔らかさを感じさせ、重いテーマの中でもホッとできる瞬間を与えてくれます。彼の演技はとても魅力的です。

桐枝（内山理名）の演技は、感情の変化が細かく表現されていて、視聴者としても彼女の心情に共感しやすかったです。遺産分割での激しい対立や、将棋嫌いに至る理由に関して、内山が示す複雑な心情がドラマに深みを与えており、真剣にその立場に立って演じているのが伝わってきました。

辰夫（田辺誠一）の演技が、物語に安心感をもたらしていました。竜美を心配して駆けつけるシーンでは、父親としての優しさや温かみを自然に演じていて、その存在感がしっかりと伝わります。田辺誠一の演技は、シリアスな場面にも温かさを持たせ、ドラマに深みを加えています。

香澄（和久井映見）の母親としての演技は、細やかな気配りと愛情が伝わってきてとても温かく感じました。竜美を気にかけているシーンでは、和久井の表情や言葉遣いがとても母親らしく、家族の絆を感じさせます。その演技がドラマの中で心地よい空気を作り出しており、視聴者に安堵感を与えています。