『家政夫のミタゾノ』第6話の感想

三田園薫を演じる松岡昌宏の独特な存在感が今回も光る。無表情ながらも視線や些細な仕草で緊張感を生み出し、観客を惹きつける。彼の鋭い観察眼と冷静な立ち回りが、物語の闇を際立たせ、視聴者を引き込んでいく。

村田光を演じる伊野尾慧の演技には、優しさと純粋さが感じられる。特にデレラに対する同情心を抱くシーンでは、彼の柔らかな表情や語り口がキャラクターの優しさを際立たせ、視聴者の共感を呼んだ。

デレラ役の久保田紗友が見せた、耐え忍ぶ姿勢と秘めた強さの演技が印象的だった。継母や姉たちからの冷遇に耐えながらも、亡き父との約束を守ろうとする意志が、表情や仕草から伝わり、心を揺さぶられた。

取目悦子を演じた紫吹淳は、華やかさと冷酷さを見事に演じ分けた。パーティーの場面では貴族のような気品を見せる一方で、デレラに対する態度には冷徹な一面が滲む。表情の変化が巧みで、圧倒的な貫禄を感じた。

区長・末広武を演じる阪田マサノブの演技は、まさに権力者そのもの。デレラに冷たい視線を送るシーンでは、言葉少なながらも圧倒的な威圧感を放っていた。彼の存在が物語にさらなる緊張感を与え、引き締めていた。